VLAN(Virtual LAN)
1台のL2スイッチを仮想的に複数のL2スイッチに分割する技術
仕組みはとてもシンプル
L2スイッチのポートにVLANの識別番号となるVLAN IDという数字を設定し、異なるVLAN IDが設定されているポートにはイーサネットフレームを転送しないようにしているだけ。
一般的なLAN環境ではこのVLANを運用管理やセキュリティの目的で使用する。
総務部はVLAN3, 営業部はVLAN5, マーケティング部はVLAN7を割り当て、それぞれ相互には通信させないといった具合。
図:ポートごとにVLANを設定する
VLANを実現する技術は「ポートVLAN」と「タグVLAN」に大別できる。
ポートVLAN
ポートベースVLAN, アクセスVLANともいう
1つのポートに対して1つのVLANを割り当てる技術
例:スイッチのport1/2をVLAN2 , port3/4をVLAN1に割り当てると、スイッチの中にVLAN1のL2スイッチとVLAN2のL2スイッチ、独立した2台のL2スイッチができたようなイメージ。
フラッディングもそれぞれのVLANで完結するので、同じVLANのポートに接続されている端末とは直接イーサネットフレームをやり取りできるが、異なるVLANのポートに接続されている端末とは直接やり取りできない。
図:ポートVLANでポートにVLANを割り当てる
タグVLAN
イーサネットフレームにVLAN情報をVLANタグとしてくっつける技術
IEEE802.1qで標準化。1qから「ワンキュー」「イチキュー」などと言われる。
ポートVLANは1ポート1VLANという決まりがあるので、VLANごとにポートを用意する必要がある。
タグVLANはVLANタグで識別するので1つのポートで複数のVLANのイーサネットフレームを処理できる。
図:タグVLANで1つのポートで複数のVLANを処理する
VLANタグは
- TPID(Tag Protocol IDentifier) : IEEE802.1qフレームであることを示す
- PCP(Priority Code Point) : 優先度
- CFI(Canonical Format Indicator) : アドレス形式
- VID(VLAN IDentifier) : VLAN ID
で構成される(PCP, CFI, VIDを合わせてTCI(Tag Control Information)という)
図:IEEE802.1qのフレームフォーマット
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