データリンク層:同じネットワークにいる端末を識別し、物理層の上でビット列を正確に伝送する仕組みを提供
デジタルデータ全体の整合性をチェックすることによって、物理層だけでは訂正しきれないエラーを検知し、デジタルデータとしての信頼性を担保。
「MACアドレス」で送信端末と受信端末を識別。
現代のネットワークでは有線LANなら「イーサネット」、無線LANなら「Wi-Fi」がデファクトスタンダード。
かつては「Apple Talk」「トークンリング」などがあったが淘汰された
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図:OSI参照モデルのデータリンク層
(ネットワーク層からIPパケットを受け取る。カプセル化する(イーサネットヘッダ、イーサネットトレーラをつける)。物理層にイーサネットフレームを渡す。
受信端末はその逆)
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イーサネットでは、どのようなフォーマットでカプセル化(イーサネットフレーム)を行い、どのようにしてエラーを検知するかが定義されている。
「イーサネットⅡ規格」「IEEE802.3規格」の2種類がある。
「イーサネットⅡ規格」=「DIX2.0規格」とも呼ばれる。
DEC社、Intel社、Xerox社の頭文字。
イーサネット = イーサネットⅡといっても良いくらい浸透している。
Webからファイル共有、メール、認証までTCP/IPでやり取りするほとんどのパケットがイーサネットⅡを使用している。
1982年に発表されてから現在まで全く変わっていない。
「プリアンブル」「宛先/送信元MACアドレス」「タイプ」「イーサネットペイロード」「FCS」の5つのフィールドで構成。
前3つを合わせて「イーサネットヘッダー」、FCSを「イーサネットトレーラー」ともいう。
図:イーサネットⅡのフレームフォーマット
・プリアンブル
「これからイーサネットフレームを送る」という合図を意味する8バイト。
先頭から「10101010」が7つ送られ、最後に「10101011」が1つ送られる。
・宛先/送信元MACアドレス
MACアドレスはイーサネットネットワークに接続している端末を識別する6バイトのID。
受信側は関係ないアドレスだったら破棄する。送信元MACアドレスをみてどの端末から来たイーサネットフレームなのかを判別。
・タイプ
ネットワーク層(L3)でどんなプロトコルを使用しているかを表す2バイトのID。
IPv4なら0x0800 , IPv6なら0x86DD
・イーサネットペイロード
データそのもの。
デフォルトで46~1500バイト。
46バイトに足りない場合はパディングする。
最大サイズはMTUと呼び、デフォルト1500バイトだがそれより大きくすることも可能。「ジャンボフレーム」と呼ぶ。
・FCS
フレームが壊れていないか確認するための4バイトのフィールド。壊れていたら破棄する。
MACアドレス
イーサネットにおいて最も重要なフィールド。
LANに接続している端末の識別ID。
物理マシンならROMに書き込まれる。仮想マシンならデフォルトでハイパーバイザーから仮想NICに対して割り当てられる。
MACアドレスの中でも先頭から8ビット目(I/Gビット)と7ビット目(U/Lビット)は特別な意味を持つ。
I/Gビット(Indivisual/Groupビット):通信の種類
0 = ユニキャスト(1:1の通信)
1 = マルチキャスト(1:nの通信)
マルチキャストアドレスが送信元MACアドレスにセットされることはない。
マルチキャストアドレスの中でも48ビットすべてが1(FF:FF:FF:FF:FF:FF)のことをブロードキャストアドレスといい、同じLANに接続するすべての端末を表す。
図:通信の種類(ユニキャスト、マルチキャスト、ブロードキャスト)
U/Lビット(Universally/Locallyビット):運用管理方法
そのMACアドレスがIEEEで管理されているユニバーサルアドレスか、組織内で運用されているローカルアドレスかを表す。
0:原則として世界で唯一無二
1:独自設定 or OSがランダムで割り当てたアドレス
※WireSharkではLGビットと表記される
イーサーネットフレームを受け取ったインターフェースはMACアドレスを1Byteずつ取り込み、後ろから先頭に向かって順に処理する。
したがってI/Gビットが最初にNICで処理され、次にU/Lビットが処理される
U/Lビットが0つまりユニバーサルアドレスの場合、上位24bitがベンダーコードになる。=OUI(Organizationally Unique Identifier)
下位24bitは各ベンダーが割り当てているシリアルコード。=UAA(Universally Administered Address)
図:OUIとUAA
1つのLANに同じMACアドレスを持つ端末が複数存在すると、その端末は正常に通信できない。
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